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日別アーカイブ: 2025年2月24日

未来に繋ぐ阿波晩茶~episode10~

皆さんこんにちは!

Kamikatsu-TeaMateの更新担当の中西です!

 

さて今日は

未来に繋ぐ阿波晩茶〜episode10〜

ということで、日本茶農家の現状と課題についてご紹介♪

 

 

日本茶は、日本の伝統文化の象徴であり、長い歴史を持つ産業です。しかし、近年、日本茶農家はさまざまな課題に直面しており、生産者の減少、需要の変化、気候変動、国際競争の激化など、多くの問題を抱えています。


1. 日本茶農家の現状|減少する生産者と変化する市場

① 日本茶の生産量の推移

日本の茶葉生産量は、ピーク時(1970年代)には約12万トンを記録しましたが、近年では減少傾向にあります。

2022年の生産量:約7万トン(ピーク時の約6割に減少)
主要産地:静岡、鹿児島、三重、京都、福岡
全国の茶農家数:1995年には5万戸以上→2020年には約1万5千戸に減少

この減少の背景には、高齢化・後継者不足・消費量の減少などの問題があります。


② 日本国内の茶葉消費の変化

家庭での急須利用が減少

  • かつては、家庭で急須を使ってお茶を淹れる習慣が一般的でしたが、ペットボトル茶やコーヒーの普及により、急須を使う機会が激減。

ペットボトル茶の需要増

  • 日本茶の消費量自体は減っていないが、「茶葉」から「ペットボトル」へのシフトが顕著。
  • 茶農家は従来の茶葉販売では利益を確保しづらくなっている。

若年層の「日本茶離れ」

  • 若者世代には、コーヒーや紅茶、タピオカドリンクなどが人気。
  • 「日本茶=年配向けの飲み物」というイメージが定着しつつある。

2. 日本茶農家が直面する主な課題

① 高齢化と後継者不足

日本の茶農家の約6割が60歳以上

  • 高齢化が進み、引退する農家が増加。
  • 若い世代の茶農家が少なく、技術継承が困難になっている。
  • 特に中小規模の農家は、後継者がいないまま廃業するケースが増加。

新規就農のハードルが高い

  • 茶栽培には広大な農地・設備投資・専門技術が必要で、新規参入が難しい。
  • 収益性の低さから、若者が茶農家を目指しにくい状況。

② 価格競争と輸入茶の台頭

安価な輸入茶の増加(中国・スリランカ・ベトナム産)

  • 日本国内の茶葉市場において、安価な中国・ベトナム・スリランカ産の茶葉が増加。
  • 外食産業・コンビニ・スーパーなどでは、低価格の輸入茶葉が多く使われる。
  • 日本茶農家は、価格競争に巻き込まれ、収益が圧迫されている。

国産茶のブランド力が求められる

  • 価格競争では輸入茶に勝てないため、「高品質な国産茶」としてブランド価値を高める戦略が必要。
  • 高級煎茶や抹茶、オーガニック茶など、差別化が求められる。

③ 気候変動による影響

異常気象による収穫量の不安定化

  • 地球温暖化により、霜害(春先の気温低下による芽の凍結)や猛暑による品質低下が発生。
  • 台風や長雨による被害も増加し、茶葉の収穫量が不安定に。

栽培地域の変化

  • 温暖化の影響で、南日本(鹿児島・静岡)では高品質な茶葉の栽培が難しくなりつつある。
  • 東北地方での茶栽培が試験的に行われるなど、産地の変化が進んでいる。

④ 販売ルートの多様化とマーケティングの課題

従来の流通依存からの脱却が必要

  • 茶農家の多くは、JA(農協)や茶問屋を通じて販売するが、市場価格の低下で利益が出にくい。
  • 直接販売(ECサイト・SNS活用)やカフェ経営など、新たな販売手法を模索する動きが増えている。

海外市場への挑戦

  • 抹茶ブームを活用し、欧米・アジア市場へ輸出を拡大。
  • オーガニック認証(EU・USDA)を取得し、高付加価値市場へ進出する茶農家も増加。

3. 日本茶農家の未来に向けた取り組みと解決策

① スマート農業の導入

AI・IoTを活用した茶栽培の効率化

  • ドローンによる茶畑の監視・散布。
  • AIを活用した収穫時期の最適化。
  • 自動収穫機の導入で省力化を図る。

② 付加価値の高い日本茶の開発

「プレミアム日本茶」「オーガニック茶」など高価格帯の市場を開拓。
新しいスタイルの茶(ティーバッグ・ボトリング抹茶など)の開発。


③ 若者や新規就農者の育成

国や自治体による「新規就農支援」制度を活用。
茶産地での「研修制度」や「インターンシップ」などを拡充。


4. まとめ|日本茶農家の未来に向けて

茶農家の高齢化と後継者不足が深刻化。
ペットボトル茶の普及により、茶葉市場が縮小。
輸入茶の台頭や価格競争で国産茶の価値が問われる。
気候変動による収穫量の変動が課題。
EC・海外市場・スマート農業の導入がカギとなる。

日本茶農家は、厳しい環境の中でも、新しい技術・市場開拓を通じて持続可能な未来を築く努力を続けています。
これからの日本茶産業は、伝統を守りながらも、時代に合わせた進化が求められるでしょう。

 

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